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2024.11.22‖
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「ほら、脱がせろよ」
 意地悪く土浦が笑う。笙子は恥ずかしさに頬を染め、けれど従順に、震える指をボタンへと伸ばす。目的のものすら満足に掴めない指は、ひどく長い時間をかけてすべてのボタンを外した。シャツの間から見える、少し焼けた肌を直視できず、笙子は耳まで赤く染めて俯く。
「それだけで終わりじゃないだろ?」
 楽しそうに告げる土浦に、笙子は身体を震わせた。
 土浦は笙子を大事に扱ってくれる。それが嬉しくて恥ずかしくて、申し訳なかった。土浦と付き合うようになってから——いや、それ以前から笙子には余裕などなかった。今でもいっぱいいっぱいなくらいなのである。だから、一般的な恋人たちが行うような行為までたどり着くのにも時間がかかった。そんな笙子に根気強く付き合い続けてくれた土浦に、お返しをしたいと常々考えていたのだ。
 相談先は学校の先輩たちだ。天羽が「メイド喫茶」という単語を発したときには驚いたものだが、その真似ごとをしようと決めたのは笙子だった。幸いというべきか、バイト先のケーキ屋の制服はメイド服である。服装ひとつで、自分の引っ込み思案な性格が変わるわけではないけれど、少しくらいは後押しになるかもしれない、という淡い期待があった。そもそもがバイト先でもないのにメイド服というありえない状況では、引き返すこともできなくなるのだ。だから笙子にとってメイド服は、何があっても逃げないという決意の表れである。しかし、この状況は想定の範囲外だった。
「…………っ、あの、先輩。あの、私…、やっぱり…」
 泣きそうになりながら、笙子は両手でぎゅっとスカートを握りしめた。正面に立った土浦は、手を伸ばして笙子の髪を弄ぶ。
「やっぱりやめる、か? でも、俺の言うことは、何でもするんだろう? お前がそう言ったんだぜ?」
 たしかに、土浦にはそう言ったのだ。できることなら何でもするから、と渋る土浦を説き伏せたのはついさっき。目に涙が浮かんできて、笙子は首を弱く振る。何もできない自分の無力さが悲しいのか、土浦の意地悪に泣きたいのかわからない。
 それでも心中にあるのは、土浦の望むことをしたいという願いだった。今まで、どれだけ土浦に大事に扱われてきたのかわからない。それが嬉しかった。できることで返したいと、ただそう願っているだけだ。
「……ど、どう、すれば、いいですか…?」
 震える声で尋ねた笙子に、土浦は目を見開いた。
 土浦にしてみれば、笙子の行動は突飛すぎた。たしかに土浦は笙子に対しては心を砕いてきたし、慣れないながらも大事にしてきた。焦れったい、ヘタレ、と周囲に貶されつつも、我慢だってしてきた。しかし、それもこれも自分のプライドよりも笙子が大事だったからだ。女の子然とした笙子が、土浦を怖がっていたのは知っていたし、彼女が脅えるようなことをして嫌われるのがいやだった。だから笙子が笑顔を見せてくれて、自分を呼んでくれて、そしてついに身体を開いてくれたときには、本当に本当に嬉しかったのだ。むしろお礼というのなら、それだけで十分だと土浦は思っていた。笙子の中に怯えがまだあることはわかっていて、それを押さえつけながら土浦を受け入れてくれた彼女を、今以上に大事にしようと決意したのだ。
 なので、彼女と一緒にいるときには、できるだけ紳士でいることを心がけていた。彼女が望むならできるだけ叶えてやりたかったし、今回のお願いは大したことでもなかったので頷いたのだが、笙子が土浦の家に来たいと言い出したのは初めてだったと、今更ながらに土浦は眉を寄せる。家に行きたい、部屋を少し空けてくれ、それ自体は大したことではなかった。そのあとに続くこの状況がわかっていれば断っただろうが、こんなことが予想できるはずもない。
 ご奉仕させてください、とメイド服で三つ指をついて頬を染めた笙子に心底驚いて、だから性的な意味でのお礼を要求したのは、ちょっとした意趣返しのつもりだった。笙子が顔を真っ赤にして、首を一生懸命に振って拒否すれば、土浦だって笑って撤回することができたのだ。だが、そんな土浦の予想を裏切って、笙子は震えながら頷いた。
 今だってそうだ。意地の悪いことを言っていると、自覚はある。半分冗談で半分は本気だ。しかし笙子が首を振って否定すれば、無理矢理にことを運ぼうとは思っていなかったのに。
「……脱がせるのは、シャツだけじゃないだろ?」
 土浦の声がかすれた。これ以上先に進めば、もう戻れない。わかっていながら、土浦は先を促した。笙子がそのつもりならば、土浦だって願望がないわけではない。むしろ積極的に乗っかってしまいたい。……彼女が、そうしてくれるのなら。
 唾を飲んで見守る土浦の前で、笙子は小さな声で失礼します、と告げた。細い指が、ベルトにかかる。
 カチャリ、と鳴る金属音に、身体が震えた。笙子は羞恥に顔を伏せるが、それこそベルトを直視することになっていたたまれない。震える指には力が入らず、ベルトの革が手の中を滑る。それでも土浦は急かしたりしなかった。それどころか、その焦燥すらも彼を煽る要因のひとつだったのかもしれない。ようやく笙子が土浦の下肢をあらわにさせると、そこはすでに力を持っていた。いつもはされるがままで、視界の端には移るものの、こんなにじっくりと見たことはなかった。初めて見る形状に、胸がドキドキして顔が熱くなる。それでも、こうなると後には引けなかった。
「あ……、あの…」
 どうしたらいいのかわからず、笙子は土浦を見上げる。土浦は、これ以上ないというように困った顔をしていた。大きく息を吐いて、土浦は下半身をあらわにしたままベッドに腰掛ける。笙子の手を引いて、低くためらいがちに告げる。
「……触って」
「は……はい」
 笙子はうなずいて、土浦の前に跪いた。おずおずと伸ばした手で、それに触れる。指先が触れると、それはびくんと小さく脈打った。
「きゃっ…!」
 反射的に指を引くと、土浦がその手を掴む。
「逃げるな。掴んで動かしてみろ」
「はい…」
 土浦に導かれ、今度は両手でしっかりと掴む。初めて触れたそれは、固いような柔らかいような、不思議な感触だった。手のひらからは熱が伝わり、どくどくと脈打っている。
 言われたとおりに、手を動かしてみる。手のひらで擦るようにすると、土浦が低く呻いた。
「す…、すみません! あの……!」
 泣きそうになって手を離すと、苦笑した土浦が首を振る。
「いいから、続き」
「は、はい…」
 その艶めいた声色に、笙子の身体は熱くなり、鼓動が早くなる。たどたどしい手つきでも、土浦が反応を返してくれるのが嬉しかった。だから、一生懸命に手を動かした。恥ずかしいという気持ちは薄れて、ただ土浦に奉仕することに没頭していく。先を撫でるようにこすると、反応はいっそう顕著だった。じわりと液体がにじんで、驚きに笙子は土浦を見上げる。
「あ…、あの」
 はじめての現象に、この後どうしたらいいのかわからない。伺うように視線を送ると、土浦はわずかに息を乱して聞いてくる。
「………………銜えられるか?」
 衝撃的な言葉に、笙子は肩を震わせた。そして、決意したように頷くと、精一杯に口を開く。
「………ッ」
 熱い、と思った。
 口の中がそれでいっぱいになって、鼻で息をするしかない。それはすべて入りきらず、笙子は先端を銜えながら、根本の部分を手で愛撫する。土浦が笙子のこめかみを撫で、時折、熱い息をこぼすのを聞きながら、舐めたり吸ったりして一生懸命に奉仕を続けた。心臓は耳の奥でどくどくと音を立て、苦しいのか興奮しているのかわからなくなってくる。それの分泌する液は、今まで味わったことのない、形容しがたい味がする。しかし、土浦の感じた証だと思えば不味くはない。
 それを銜えたまま上目遣いに見上げれば、土浦は熱い息を吐きながら笑い、笙子の髪を撫でた。優しい仕草にドキドキして、土浦の色気を含んだ表情にドキドキする。
 その胸の高鳴りは、身体の奥を疼かせた。じわじわと熱に侵されて、スカートの下で膝を擦り合わせる笙子に、土浦は髪を撫でていた手を止めて、上向くように促す。それから口を離して土浦を見上げれば、脇の下に手を差し入れられ、ベッドの上に転がされた。
「俺にも触らせろ」
 瞼に唇を落とされて、きゅっと目をつぶる。低く笑った土浦の手がつま先から膝を滑って、スカートの裾から中へ入り、内腿を撫でる。びくりと身体を揺らす笙子に頓着せず、土浦は手を進めていく。
「…………ッ!」
 脱がされた下着は何の愛撫も施されていなかったのにも関わらず、湿り気を帯びていた。
「もう、濡れてる」
 笑いを含めて囁かれ、笙子はただでさえ赤い顔をさらに真っ赤に染めた。
 土浦の指は、ゆっくりとそこを撫でていく。指は外をいじるだけではなく、中に入りこんで気まぐれにかき混ぜては出ていく動作を繰り返す。スカートの中で滴っていくのを感じて、たまらない。土浦の指が進んで、中を広げるようにゆっくりと動かされる。そのたびに声が上がり、身体が小さく跳ねたりして恥ずかしい。シーツを握りしめるに力をこめると、土浦は潜めた声で告げた。
「自分で入れてみろよ」
「……! は、恥ずかしい、です…!」
「ご奉仕、だろ?」
「…………ッ!」
 悲鳴のような声で拒否するが、土浦は取り合わない。むしろ声には楽しげな響きすらあって、笙子は逃げられない。楽しげに笙子を見る土浦は、笙子を待ったまま微動だにせず、根負けした笙子は緩慢な動作で膝立ちになると、土浦の肩に両手を置いて足を跨いだ。それだけで、どうにかなりそうだ。
「このままじゃ、お前の中に入るとこ見えないから、銜えて」
 スカートの裾を目の前に差し出されて、笙子はふるふると首を振る。しかし、土浦は許さず、ほらと強要してくる。その間にも下肢を熱いものになぞられて、ぶるぶると足が震えた。陥落しそうになって、笙子はおずおずとスカートの裾を銜え、そこをさらけ出した。
「さっき俺の銜えて、たくさん濡らしたろ? だから大丈夫」
 そこを優しく撫でられて、しかも言葉の内容は恥ずかしくて、笙子は堪えきれない。指を入れられて解されて、身体の準備は確かにできている。それでも、自分から腰を落としていくのは途轍もない羞恥があった。
 そんな笙子の入り口を、熱く強張った先端が撫でていく。それだけで、背筋にびりびりと電気が走ったようになって、思わず力が抜けて腰を落としそうになった。中から溢れ出したものが、腿を伝って流れていく。充分に潤みきったそこは、土浦を待ち望んではしたなく口を開けている。
「ほら、できるだろう?」
 優しく問われて、とうとう笙子は頷いた。
 手を導かれて、土浦のそれに触れる。お互いから溢れたもので、ぬるぬるとしたそれは、既にしっかりと掴めないほどになっていた。それ以上に熱くて、笙子は驚きに息を飲む。
「ほら、入れてみろって」
 低く囁かれて、遂に腰が落ちた。自分の意思で、速度で、身体が満たされていく。それがひどく淫猥だ。堪えきれない声が、ひくつく喉からこぼれおちる。
「……ッ、ン、ンッ、ン……!」
 先端が埋まれば、残りはなし崩しに体内に埋め込まれていく。すべてを飲み込んで土浦を見れば、ひどく満足げな顔をしていた。
「……全部入ったな」
 ぼうっとなる頭で頷くと、土浦は破顔する。
 ぎゅっと抱き締められて、その心地よさにうっとりしていると、背を抱いていた土浦の腕が背を滑り、腰を支えた。
「……やらしい」
 言われて、すでに腰がゆるゆると動きはじめていることに気づく。羞恥に身体が熱くなるが、動きは止められない。こすりつけるように前後に揺れると、あまりの恥ずかしさと快感に涙がこぼれていく。もう頭の中はぐちゃぐちゃだ。自分で胎内を探る動きでは、恐怖で決定的なところに触れられない。それがいっそう身体の熱を煽って、笙子はやり場のない快感に身悶えする。スカートを噛み切りそうになるほど強く噛み締めて、土浦の首に縋りついた。
「や…、せんぱ……、や!」
 瞳から、ぽろぽろと涙がこぼれていく。視界に土浦の耳が目に入って、思わずそれに唇を寄せる。
「……先輩も」
 身体の中を燻る熱には、いつも土浦が火をつけるのだ。自分だけでは足りない。動いて、と喘ぎにまぎれて囁けば、中にある土浦が質量を増した。
「……ゃ、せん、ぱ………!」
 急激な圧迫感に笙子が喉を反らせば、背を抱く土浦の腕に力がこもった。
「……ッ、今のは、お前が、悪いんだよ。馬鹿!」
 ガツン、と下から突き上げられて、笙子は声にならない声で喘ぐ。
 腰を支えていた土浦の両手が、がっしりと笙子の胴回りを掴んで、激しく上下に揺すり立てる。
「…ッや、や…! せん、ぱ……!」
「嫌じゃないだろ。感じてるくせに」
 深く深く入り込まれて、背を戦慄かせる。感じていることを、殊更に体感させられて笙子は声を飲む。内部を持っていかれるように引きずり出されて、飲み込まされるように突き入れられる。潤滑を助ける粘質の液体の音と、肌を打つ音に耳を侵され、土浦の声に頭を侵される。こくこくと頷きながら、こぼれる息に乗せて、笙子は途切れ途切れに喘いだ。
「……や、じゃ、な……です。あ、ゃ、きもち、いっ……」
 そして、ぎゅうと土浦の身体にしがみつきながら尋ねる。
「せんぱ、も、きもち、い…、ですか……?」
 思わず、というように、土浦の動きが止まった。不思議に思いながら笙子が顔を覗き込むと、苦々しい顔を背けられた。その耳が赤い。
「……ッ、くそ…!」
 悪態を吐いて、土浦は笙子を押し倒した。衝撃に口を開くと、噛み付くようにキスをされる。貪られて、呼吸すらおぼつかなくなり、笙子は首を振って逃れようとする。しかし、土浦は許さない。口の中を無遠慮に激しく弄られて、思考がとろけていく。酸欠になりそうになって、ようやく土浦は唇を離した。土浦が口の端を流れた唾液のあとを、ぺろりと舐める。
「お前、俺をどうしたいんだよ」
「………え?」
「さっきから散々煽りやがって…」
 笙子がボタンを外したままだったシャツを乱暴に脱ぎ捨てて、土浦は笙子の上に覆いかぶさった。繋がったまま身動きされて、甘い感覚が身体の中を走るが、それ以上に獣のような瞳に絡め取られて、背筋がぞくりとする。
「先、輩……?」
 震える声で呼びかけるが、土浦は黙ったまま笙子の首もとのリボンをしゅるりと解いた。それに口付けて、土浦は獰猛に笑った。
「とことん泣かせてやるから、覚悟しろよ」
 宣告する声は残酷で、しかし笙子の身体は期待に震えた。





ご奉仕っていったらアレだろ! と意気揚々と書きました。楽しかったです。
リクエストありがとうございました!
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