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2024.04.20‖
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土浦×冬海。
お題:身長差カップルに5つのお題(お題配布元:Like a Rose Like a Butterfl



 土浦先輩は、大きい。
 隣を歩く先輩を、こっそり見上げてみる。ちょうど私の頭は先輩の肩のあたり。
 見上げなければならない位置に、先輩の顔はあって、今は真っ直ぐ前を向いている。
 最近は、こうして一緒に帰る。
 私が電車通学だから、先輩はわざわざ遠回りをして駅まで送ってくれる。それが申しわけないと思うのだけど、それ以上に嬉しかった。
 何を話すわけではないけれど、一緒にいられる時間が増えるのはとても嬉しくて、幸せだ。
 先輩も同じ気持ちでいてくれるのだろうか。
 そんなことを先輩の顔を見上げたまま考えていると、ふいに顔がこちらを向いて、微笑んだ
 優しげな笑顔にドキドキと胸が高鳴る。
「どうした?」
「え、あ、あの……、その、」
 あなたを好きなことが幸せなんです、とは恥ずかしくて口に出せない。
 俯いてしまった私の頭をくしゃりと撫でて、先輩はそれ以上を聞かないでいてくれる。
「………明日、暇か?」
 唐突に聞かれて、目を瞬かせる。
 見上げた先輩の顔が、ほんのりと赤い。
「明日、ですか?」
「いや、急だよな。忘れてくれ」
 先輩の手が、頭から離れる。
 明日は土曜日で学校は休み。
 先輩に会えないのが、寂しいと思っていた。明日も会えるのだろうか。そうなら、とても嬉しい。
「先輩、」
 後ろを向いた先輩の背中に、声をかける。
 並んで顔を見上げると、視線があった。
 同じ気持ちなら、嬉しいのに。
「あの、明日も…会えますか?」
 ほんの少しだけ勇気を出して、そう言うと、嬉しそうに先輩が笑う。
「それなら明日、迎えにいく」
「え? そ、それは。えと、家は遠いですし、申しわけ、ないです…」
「俺が迎えにいきたいんだよ」
 もう一度、くしゃりと髪をかきまぜられた。優しくて、温かな先輩の手。
「………はい、待って、ますね?」
 笑って答えれば、眩しそうに先輩は目を細める。
 先輩も同じ気持ちでいてくれるのが嬉しくて、先輩に触れたくなった。
 つま先立ちをして、先輩の肩に手を置いた。首を伸ばして、ちょっとだけ、先輩の頬に、触れる。
「………!」
「あの、えと……」
 息を飲んだ先輩の顔が見られない。顔が熱い。鼓動の音が耳に響く。
 逃げ出すように走る。少しだけ先輩が遠くなったところで、振り返っていつもより大きな声で叫んだ。
「また明日…!」
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