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2018.08.15‖
2011年、金澤先生お誕生日おめでとう!
日野さんは2年生。卒業まであと一年。




「先生、お誕生日おめでとうございます!」
 日野はにこりと笑って金澤へ祝いのことばを述べた。音楽準備室の椅子に座ったままの金澤も、笑顔で日野に応える。
「おう。ありがとな」
「というわけで、ヴァイオリンを弾きにきました」
 聞いてくださいね、と言いながらヴァイオリンを構え、日野は軽やかに音色をつむぎだす。それを聞きながら、金澤は目を閉じた。
 日野香穂子を認識したのは去年の春。妖精の気まぐれによる学内コンクールの出場者としてだった。音楽のいろはも知らない少女は、妖精が与えたヴァイオリンのせいか、それとももともとの素質なのか、みるみるうちに実力をつけ、学内コンクールで優勝を果たした。秋から冬にかけては、学院のために奔走し、そして実力を認められた彼女は来年度から音楽科へと転科する。
 そのための準備に忙しいはずの彼女が、何故金澤の誕生日を祝うのか。それは短い春の間に、想いを重ねたからだ。
 しかし教職の金澤と、その生徒である日野の間に、それ以外の関係があるのは好ましくない。結果、金澤と日野の関係性は以前のままだ。ただ、ことばにできない彼女の想いは、ヴァイオリンの音色に乗る。
 誕生日にそれが聞きたい、と言ったのは金澤だ。
 特定の誰かからプレゼントとしてものをもらうのは危険すぎるし、それが金澤にとって特別であればなおさらだ。
 いつもと変わらないじゃないですか! と頬をふくらめる日野に、それでもと願ったのは金澤で、望んだ音色に顔が緩む。
 演奏曲は、金澤が好きな曲ばかり。そうとはっきり口にしたことはなくても、日野にはわかってしまうのだろう。それは恋のなせるわざか、と金澤は年甲斐もなく浮かれそうになる。
 最後の一音が空気に解け、日野が静かに息を吐く。そこまで聞いてから、金澤はゆっくりと目を開ける。
「うん、よくなってるな」
「それはそうですよ。先生のために弾いてるんですから」
 ヴァイオリンをケースに戻し、日野は当たり前のように胸を張る。それに喜びがこみあげて、金澤の頬がまた緩む。
「何で笑うんですか!」
「いや、悪い。これは、お前さんをバカにしてるわけじゃなくてだな」
「知ってますよ」
 金澤の弁解を、日野は照れたような笑顔で遮った。
「知ってます。私も、先生のために弾けるの嬉しいです。嬉しいって、思ってくれてるんですよね?」
 日野の頬は赤く染まって、しあわせそうだった。それが移ってしまいそうで、金澤は視線をそらす。
 かわいい、とそう思う。こんなに素直でかわいい子が、自分を想ってくれているという幸福。金澤はその喜びをなるべく声に出さないように、ぼそりと告げる。
「そうだな」
「これからも、先生のために弾きます」
 日野の健気なことばに顔を上げると、彼女は本当にしあわせそうに、満開の笑みを見せている。そして、その可憐なくちびるが動いて、もう一度金澤を祝福した。
「お誕生日、おめでとうございます。金澤先生」




2011.03.04up
誕生日間に合ってないんですけどね!
でも祝う気はあるよ!というわけで、お誕生日創作です。
4回目でネタがありません。日野さんからちゅーでもさせようかと思ったのですが、超ほのぼので終わりました。こういうのもいいかな。
というわけで、金澤先生、お誕生日おめでとう!
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