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2024.04.20‖
拍手ログ。
土浦×冬海。
お題:君を想う5つのお題3 (お題配布元:TV



「冬海」
 先輩の顔がいきなり近い。
 身体を壁に押しつけられて、逃げ場がない。
 ここは学校で、しかも廊下で。
 誰が来るかもわからないのに、身をかがめて覗きこまれる。
 先輩の右腕は、私の頭の上に。
 先輩の左腕は、私の肩を押さえて。
 先輩の大きな身体は、私の身体をすっぽりと覆い隠すようにそこにあって。
 頬が熱くなって、耳が焼けそうで。恥ずかしくて俯いた。
「………あ、あの、土浦せんぱ……」
「黙れよ」
 顎が掴まれる。
 引き上げられて、いつもと同じように先輩を見上げる。
 そう、目線はいつも上。
 先輩と私の身長差はだいぶあって、背伸びをしても全然足りない。
 そこにあるのは真剣な、顔。
「……………!」
 顔を寄せられて、息がかかる。
 金縛りにあったように動けない。
 へなへなになって座り込んだ私に、仕方ないなと先輩が手を差し伸べてくれる。
 けれど、それすら掴むこともできないくらい、頭の中がグルグルしている。
 今、何を、されたの?
「そんなお前もかわいいけどな」
 苦笑される。
 春にはしかめっ面ばかりだった先輩の顔が、実はこんなに優しく綻ぶのだと、秋になってようやく知った。
「慣れてもらわないと困るんだが」
「………ッ! 無理、です…!」
 へたりこんだまま息も絶え絶えに叫んだ。
 あなたの近くにいると苦しくて、切なくて、でも幸せで、嬉しくて。
 今までの自分には、信じられないような感情の波。
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