ゆりすもさんのところでのチャット初出。…だったと思う。
全員が絵を描いているのに、ひとりでひたすらROMだったので、書いてみた。

「明けましておめでとうございます！」
　突如として目の前に現れた日野は、満面の笑みでそう告げた。
　なぜこんなところに、と金澤は目を瞠る。しかし、新年の挨拶を返さないのもおかしな話で、戸惑いながらも返事を返す。
「あ、ああ。おめでとう」
「先生も初詣ですか？」
　いや、そういうわけじゃないんだが、という言葉は最後まで出なかった。
　手に持ったコンビニの袋をしっかりと持ち直す。
　日野は晴れ着姿だった。くるりと回って、日野はまた笑った。
「どうですか？　似合いますか？」
「あ？　…ああ」
　どうにか体裁を取り繕いたいのに、金澤は押されっぱなしだ。
　しかも近寄ってきた日野にぎゅ、と手を握られて、動揺する。
「先生も一緒に行きましょう？」
　手を引かれて、身体が浮いた。
　アレ、と思う間もなく、落ちた。
　金澤は呆然としながら、天井を見上げる。
　身体が痛い。
「………これが初夢って、どういうことだよ」
　呟いて金澤は、痛む身体で起き上がったのだった。