憧れていたのは俺のほうだと言ったら、君は信じるだろうか。
伸びやかな音を楽しそうに弾く君に。
ありとあらゆるものを吸収し、恐ろしい早さで成長していく君に。
演奏の技術が足りないことなど、ものともせずに、君は弾く。
ただ、ヴァイオリンを弾くことが何よりも楽しいのだという表情をして、弾く。
それがどんなに羨ましかっただろう。
俺の音が、君の音のように柔らかく温かなものにはならないとわかっていても憧れた。
君の音が好きだ。
君の音楽が好きだ。
君が、好きだ。
君に焦がれて憧れて、ただ高みへと昇っていくだけだと信じた道を疑った。
君が、俺を変えた。
だから君のために弾こう。
この愛のあいさつを。
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2007.07.03‖コルダ:その他