冬海ちゃんお誕生日企画でのチャット初出。
阿弥陀で残りものから選ばせていただきました。火原×冬海がお好きな方もいらっしゃったので。
3Bに興味が薄かったので、一人称の確認したりとかしてすいませんでした。初心者丸出しである。
阿弥陀で残りものから選ばせていただきました。火原×冬海がお好きな方もいらっしゃったので。
3Bに興味が薄かったので、一人称の確認したりとかしてすいませんでした。初心者丸出しである。
「お誕生日おめでとう!」
下校時間に校門前を通りかかると、待ってましたとばかりにオーケストラ部の先輩が飛び出してきた。そして小ぶりの花束を渡されて、笙子は目を白黒させる。
「あ、え…、あの……?」
驚きに声もない笙子に不安を覚えたのか、心配そうに眉を寄せ、火原は首を傾げて顔を覗きこんでくる。
それに思わず身を反らせて、笙子は目を瞬かせる。
「え? あれ? 今日誕生日だよね?」
天羽ちゃんから聞いたんだけど、と言う火原は、心底困っているようだった。笙子はようやく状況を理解して頷いた。
「は…、はい。そうです」
「よかったー! 間違ってたらどうしようかと思ったよ。じゃあ、改めて。誕生日おめでとう!」
にこにこと、満面の笑みで告げられて、頬が赤くなる。大好きな人にこうして祝われるのは気恥ずかしくて、それ以上に嬉しい。
「あ、ありがとうございます」
お辞儀をしながらお礼を言うと、そんなのいいよと、火原は笑った。
「おれね、一生懸命考えたんだ。冬海ちゃんが喜んでくれそうなもの何かなって」
ふわり、と火原が笑う。
それにつられるように、どきりと胸が高鳴った。
「冬海ちゃんのこと、大好きだから喜んでもらいたいなって。それですっごく考えたんだけど、結局冬海ちゃんに似合いそうなものになっちゃった」
「………え?」
えへへ、と火原は恥ずかしそうに頬を赤らめ、それでもはっきりと告げる。
「冬海ちゃんって、いかにも女の子って感じで、だからかわいいものとか、きれいなものとかが似合いそうだなって。そう思ったら、花束しか思い浮かばなくて。でも…」
優しい顔で火原はこちらをじっと見て、そして蕩けそうな笑顔を浮かべる。
「うん、やっぱり似合ってる。思ったより高くて、小さい花束になちゃったけど」
眩しいものを見る目で見つめられて、身の置き場がない。顔を真っ赤に染め上げて俯いてしまった笙子に、しかし更なる爆弾が落とされた。
「……ね、笙子ちゃんって、呼んでもいい? あのね、大好きだよ。だから来年も、一緒にいようね?」
幸せな宣告に顔を上げられず、笙子はとうとう花束に顔を隠した。
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2008.11.03‖コルダ:その他