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2017.10.23‖
冬海さんのお誕生日企画でのチャット初出。
月森と冬海さんでは、恋愛が進行しなさそうである…。



「あ、あの。月森先輩」
 音楽室に入ろうとしたところで声をかけられる。その声色には覚えがあって、月森は半ば微笑みながら振り向いた。二度あることは三度あるというが、本当にあるとは思わなかった。
 振り向いた先には、思ったとおり、同じ学内コンクールに参加した後輩が立っている。
「今日はどうしたんだ、冬海さん」
 機嫌のよさそうな月森に安堵したのか、冬海はほっと息を吐きながら微笑んだ。その仕草に、なぜか胸が高鳴る。今まで、他人の言動に興味を持ったことはなかった。しかし、この後輩に対するときには、どうにも調子が狂う。そんな自分を悟られないよう、月森は咳払いをして、彼女に向き合った。
 そんな月森には気づかない冬海は、あの、と小さく声にしながら、きれいにラッピングされた包みを差し出してきた。
「……これは?」
 てっきり、また授業やアンサンブル関係の話だと思っていたので、意表を突かれる。何だ、と見返したさきには、ほんのり頬を上気させた冬海がいる。恥じらう仕草に、またしても鼓動が高鳴る。
 予想外の自分の反応に眉を寄せると、綻んでいた冬海の顔が一気に強張った。しまったと思っても、後の祭りである。
「す、すみません。あの、あの…」
 泣きそうな、という表現がぴったりの顔をして、冬海は差し出した包みをどうすることもできず俯いた。その細い肩が震えている。
「…こ、この間、月森先輩に、褒めていただいて、それが、本当に嬉しかったので、お礼をと思ったんですが……。す、すみません…!」
「待ってくれ!」
 逃げ出すように踵を返した冬海の腕を掴む。その細さにどきりとする。
 振り向いた冬海の大きな瞳は潤んでいて赤い。息を飲んで、月森は言葉を探す。もともと、他人に自分の意思を伝えるのは苦手だ。けれど、それを怠ってはいけない場面であることは理解していた。
 唇を湿らせて、月森は首を振る。
「いや、あの。………ありがたく、ちょうだいする。君に、そういう顔をさせるのは、本位じゃない。だから、その…」
 うろうろと視線を彷徨わせると、逃げようとしていた冬海の力が抜けた。そんな彼女を窺い見ると、またしても月森は息を飲むことになった。
 そこにあったのは、本当に嬉しそうな笑顔で。
 動悸が激しくなって、顔に熱が集まっていくのを感じる。そんな自分をどこか不思議に思いながら、月森は改めて冬海が差し出してきた包みを手に取った。
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2008.11.23‖コルダ:その他
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