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2024.04.20‖
冬海さんの誕生日企画でのチャット初出。二個目。
最初は冬海さんが変わった理由を土浦のせいにしようかと思ってたんだけど、折角天羽さんでお題をいただいたので、百合っぽくしてみた。
百合やってる方には、甘っちょろいと怒られそうである。



「ねえ、冬海ちゃん。最近、何かあった?」
 天羽は、学内コンクールで知り合った一学年下の後輩の顔を覗き込みながら言った。
「な、何かって何ですか?」
 最近、冬海は以前にも増してかわいくなった。表情が生き生きして、笑顔が増えた。気のせいか、肌もつやつやして見える。
 おどおどとしたところはまだあるが、それでも自分のクラリネットに自信を持つようになった。音に張りが出て、伸び伸びと音を響かせている。素人の天羽がわかるほどの変化だ。何かがあったのかと疑うには十分すぎる。
 そして、その変化が何に起因しているのかを、天羽は知りたかった。
 天羽は過去に、日野に頼りすぎている冬海を突き放したことがある。それは違うと、はっきりと言い放ってしまったことがある。今でも、そのときに告げた言葉は間違いではなかったと確信している。しかし、ほかにも言い方があったのではないかと、多少後悔もしていた。だから、というわけではないが、冬海のことを気にするようになっていた。ただでさえ、冬海は保護欲をかきたてられるのだ。保護者のような心持になって、ついつい世話を焼きたくなる。
「だって冬海ちゃん、変わったじゃない?」
「………変わりましたか?」
「うん」
 うなずくと、冬海は少し考え込むように首を傾げる。
「どんなふうに、変わりましたか? あの…、その、天羽先輩から見て、で結構なんですけど…」
「うーん、そうだなー。何か、前よりキラキラしてるよ」
 どう言うべきか、と言葉を探し、口にすると、いかにもその言葉がぴったりであると天羽は一人頷いた。そう、最近の冬海はキラキラしている。かわいくなって、明るくなって、前向きになって、自信を持って。
 そうだ、と天羽が自分の表現のうまさににんまりと笑むと、冬海がこちらを見ているのに気づいた。そして、笑みなど放棄してぽかんと口を開けてしまう。
 天羽の言葉を聞いた冬海は、それはそれは嬉しそうに微笑んでいた。思わず目を奪われて、天羽は目を見開いた。
「嬉しいです。あの、私、天羽先輩みたいに、なりたいんです。先輩みたいに、夢を夢で終わらせないように、頑張りたいなって。先輩みたいに、キラキラしたいなって、そう思ってて。だから、そう言っていただけて、すごく、嬉しいです」
 ありがとうございます、とにっこりと微笑む冬海に、天羽は大きく息を吐いた。女の子に目を奪われるなんて、どうしたことだろうと天羽は苦笑した。けれど、こんなにかわいい後輩なのだから、仕方がないのかもしれないと考えながら、立てた人差し指を左右に振った。
「冬海ちゃん、それじゃダメなんだってば」
「え?」
 不安そうな冬海に、天羽はかわいい後輩にアドバイスを送るべく、いたずらに片目をつぶってみせた。
「私みたいになるんじゃなくて、冬海ちゃんは冬海ちゃんの魅力を磨かなきゃ。ね?」
 そう言うと、冬海はまた天羽をときめかせるような笑顔を顔に浮かべて、はいと嬉しそうに返事を返した。
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2008.11.23‖コルダ:その他
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