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2017.11.18‖

#07

2009.07.25のブログから転載。
土浦の誕生日創作。



「お誕生日おめでとうございます」
 冬海と自室にふたりきりになって祝いの言葉を言われ、土浦は照れくさくなりながらも笑って返した。
「ありがとな」
 礼をいえば、冬海が手にしていた紙袋を差し出してくる。
「あ、あの…、えと、プレゼントです。先輩、この間ほしいっておっしゃってたから…」
 頬を赤く染めている冬海から紙袋を受け取り、中を覗き込むとスッキリとした瓶のスパイスセットだ。夏に入り、スパイスからカレーを作ってみたいとこぼしていたのを覚えてくれていたらしい。嬉しくなって冬海の髪をくしゃりとなでると、彼女の頬がほっとしたように綻んだ。
「サンキュ」
「喜んでいただけたなら、嬉しいです」
 土浦の礼を聞いた冬海があまりに嬉しそうに笑うので、土浦にも釣られて笑みが浮かぶ。
「これでカレー作ったら、お前にも食わせてやるな」
 その土浦の言葉に、冬海の目が大きく瞬いた。
「え?」
「自分で言うのもなんだが、うまいと思うぜ?」
 冬海は誘われたことに対して驚いているのだと予想はついたが、土浦はあえてそれを無視して話を続けた。
 瞬いた大きな瞳がふわりと和むのを見て、鼓動が妙に大きく脈打った。土浦は顔が熱くなったような気がして手で口元を覆い隠す。にやけているような気さえする。
「あ…、でも、そうすると、どちらがプレゼントなのか、わからなくなってしまいます……」
「は?」
 悄然とする冬海に、間の抜けた声を返すと、潤んだ瞳が困ったように見上げてくる。
「だって、私、すごく嬉しいです……」
 あまりにかわいいことを泣きそうな声で告げてくるのに、土浦はますます顔が熱くなっていくのを感じる。計算などひとつもしていない顔で、どうしてこんなに破壊力抜群の台詞が出てくるのか。
 小さく息を吐きながら、土浦は少し考える。冬海を困らせてやるには、どうしたらいいのか。頭に浮かんだ考えは、実に冬海が困りそうなもので、土浦は平静を装って言ってみる。
「じゃあ、キスしてくれよ」
「…………えっ?」
 驚きに声を上げる冬海を見ながら、予想通りの反応を返してくるのに、内心でほっとする。土浦は普段どおりの顔を作って、片眉を上げてみせた。
「だって、お前が言ったんだろ。プレゼントじゃなくなるって。今、お前が用意できそうで俺が嬉しいのはキス。だから、ほら」
 細い腕を掴んで引き寄せれば、小さな身体はすっぽりと腕の中におさまって身動きもしない。薄い服ごしにどきどきと伝わってくる心音がひどく早くて、それが移ってしまいそうだと土浦は後悔する。
 しばらくそのままだった冬海が身じろぎして、真っ赤に染めた顔を上げてきた。細い喉が空気をのんで上下する。
 え、と目を見開いた土浦の目の前で、長い睫毛が伏せられた。
 それは一瞬。
 柔らかいものが触れて、冬海はすぐに土浦の胸に顔を伏せた。ぎゅうと抱きつかれたけれど、抱き返すこともできない。
 ああ、一生敵わない、と土浦は声をなくした。
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