拍手ログ。
金澤×日野。
金澤×日野。
「……………」
「……………」
「…………日野」
「ちょっと、話しかけないでください! 私にだってできます!」
真剣な顔で、香穂子はそれを見つめていた。
自分の手の中にある、それを。
慣れない手つきの香穂子を可愛いと思う反面、どうなるのか予想がつかず怖い。
万が一のことがあっては大変だ。
だから、香穂子の手を押しとどめるようにして、首を振った。
「もういいから。お前さんが一生懸命なのはわかるけど…」
「だって、先生のなんだもん!」
「でもなぁ……」
「先生のだから、頑張って、する」
きゅ、と唇を噛む。
悔しそうなその仕草がかわいくて、金澤は諦めたように手を離した。
「あー、はいはい。わかりましたよ」
こちらを見上げる香穂子が嬉しそうに微笑む。
それだけでいいのに、と思う自分に苦笑する。
ああ、本当に馬鹿じゃないのか。こんなに溺れて、手放せないなんて。
「ケガしてヴァイオリン弾けなくなったとか、冗談じゃないからな」
「ハイ!」
針と糸を持って、真剣に白衣のボタンを止めはじめた香穂子を見て、どうにも頬が緩んだ。
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2007.03.14‖コルダ:金澤×日野